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バイクのミラー調整は難しくない!緩み解消&正しい調整手順について解説
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バイクのミラー調整は難しくない!緩み解消&正しい調整手順について解説

バイク ミラー 調整

バイクのミラーが正しく調整できていないと、安全運転に支障をもたらす恐れがあります。

バイクのミラーが緩んでしまう現象も珍しくはないため、調整に必要な知識は押さえておくべきでしょう。

そこで本記事では、ミラーが緩む原因や正しい調整手順、ボールジョイント式の対処法などを詳しく解説していきます。

適切なミラーの位置や車検に通る条件についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

バイクのミラーが緩む原因

バイクのミラーが走行中にズレたり緩んだりするのは、ライダーの悩みとしてよく見られるものです。

ミラーが緩む主な原因としては、以下のようなものがあります。

  • 振動によるネジの緩み
  • 経年劣化による摩耗や破損
  • 外気温の変化

それぞれ解説します。

振動によるネジの緩み

バイクの走行中は、エンジンの可動や路面からの衝撃によって常に振動を受けている状態です。

そのため、ミラーのネジ部分が振動によって少しずつ緩んでいく現象が考えられます。

経年劣化による摩耗や破損

ボールジョイント式のミラーは長年の使用により、ボール部分が摩耗したり削れたりするなどの劣化が起きます。

そのため固定する力が弱まり、ミラーが緩んで動いてしまうことがあります。

外気温の変化

金属は気温の変化によって、膨張・収縮することがあります。

夏場や冬場などに起こりえる極端な気温変化も、ミラーが緩んでしまう原因のひとつです。

バイクのミラーを調整する前に押さえておきたいポイント

ミラーをスムーズに調整するには、構造や仕様を理解しておくことが重要です。

まずは、バイクのミラーを調整する前に知っておきたいポイントを解説します。

2段階のボルト構造

ほとんどの場合、バイクのミラーは上下2段階のボルトで固定されています。

「ミラーの位置調整」と「台座への固定」を別々のボルトとシングルナットで締め付ける仕組みです。

この点を理解しておかないと、しっかりと固定したい際にうまくロックナットを締められず悩んでしまう恐れがあります。

なお、ミラーの構造をダブルナットと称するケースが見られますが、本来のダブルナットは上下のナットでネジの戻りを防ぐものですので、ミラーには当てはまりません。

正ネジと逆ネジ

バイクのミラーには時計回りで締まる「正ネジ」以外に、反時計回りで締まる「逆ネジ(左ネジ)」が使用されているケースがあります。

逆ネジが採用されている理由

逆ネジが採用されているのは、前方からの衝撃を受けたとき、ミラーを緩ませて転倒のリスクを防ぐためです。

逆ネジは安全設計に基づいて使用されており、以前は一部メーカーのみでしたが、近年では逆ネジを採用している車種も増えてきている傾向にあります。

正ネジと逆ネジの見分け方

ミラーがすでに緩んでいる場合は、緩む方向を確認すれば正ネジと逆ネジを見分けることが可能です。

また、逆ネジを示す「刻印」や「切り欠け」を入れている場合もあるため、形状を詳細にチェックすることで見分けることもできます。

マニュアルにネジの情報が記載されていることもあるため、事前に確認しておくと安心です。

バイクのミラーを調整する手順

ミラーの向きや角度を適切に保つには、正しい手順で調整する必要があります。

同じサイズのスパナ2本を用意し、以下の手順を参考にして、調整作業に取り組んでみましょう。

①ラバーを外してロックナットを緩める

ミラー根本にゴムカバー(ラバー)が設置してある場合は、あらかじめ取り外しておきます。

次にミラーの向きや角度を固定している、上側のロックナットを緩めます。

右ミラーの場合は、逆ネジの可能性があることに注意しましょう。

②アダプター側を締める

続いてミラーをバイク本体に接続している、アダプター側のボルトを締めこみます。

アダプター側は正ネジであるケースが多いですが、事前に確認できておくと安心です。

③ステーの位置を調整する

この段階でミラーの支柱(ステー)を動かして、後方視界が確認できるよう位置を調整します。

④アダプター側を固定しながらロックナットを締める

調整が完了したら、アダプター側のボルトにスパナを差し入れて動かないよう固定しましょう。

この状態のまま、ミラーの位置を保ちつつロックナットを締めて固定します。

ロックナットが逆ネジだった場合、アダプター側を固定していないと回転に併せて緩んでしまうので、注意が必要です。

⑤ラバーを戻して完了

ロックナットを十分に締め付けられたら、最後にゴムカバーを元に戻して作業は完了です。

バイクのミラーを調整する際の注意点

ここでバイクのミラーを調整する際の注意点を解説していきます。

調整作業に取り組む際は、以下の点を意識して行いましょう。

  • ネジが緩みにくい場合は潤滑剤を使用してみる
  • ネジ山を損傷させないために、締め付けは慎重に行う
  • 衝撃を適切に受け流すためにも、ロックナットは締めすぎない

ネジ山やナットが損傷してしまった場合は、タップを切る・ネジサイズの大きなミラーへ交換するなどで対処しましょう。

ボールジョイント部分の緩み・ぐらつき対策

ボールジョイント式のミラーは、ボールジョイント部分の劣化によって緩み・ぐらつきが発生しやすくなります。

以下の方法で対処できる場合があるため、気になっている方は実践してみてください。

ジョイント部分の隙間を埋める

ボールジョイントと受け部分の隙間が大きくなっている場合、薄い滑り止めシートやアルミテープを巻いて補強する方法があります。

網戸の補修シートでも補修が可能ですので、手に入りやすい素材で対処してみてください。

やりすぎると可動部が固くなるため、少しずつ巻きながら調整していくのがポイントです。

ジョイント部分の摩擦力を高める

ジョイント部分の摩擦力を高める観点で、接着剤やネジの滑り止め剤を使うことも有効です。

ただし、金属の接着に使われる「嫌気性接着剤」は適さないので注意してください。

また、接着剤や滑り止め剤の塗り過ぎは、固定力を高めすぎることに繋がります。

位置や角度の調整ができなくなる恐れもあるため、適切な量に抑えて塗布しましょう。

ミラーの正しい位置と車検に通る条件

最後に、ミラーの正しい位置と車検に通る条件について解説していきます。

ミラーの正しい位置

すべてのライダーに共通するような、ミラーの正しい位置を明確に決めることは難しいです。

あえて言えば、ライディングポジションからミラーに視線を移して、後方が十分に確認できる位置が理想です。

「ミラーの端に自身の肩・腕が見えるぐらい」という目安はありますが、左右の後方視野がしっかり確保できるよう調整できていれば問題ありません。

自身にとって後方確認が確実にできる位置に、ミラーを調整しておきましょう。

車検に通る条件

バイクの車検では、バックミラーについても以下の点をチェックされます。

  • 鏡面の面積が69㎠以上あること
  • 鏡面のサイズ(円形を除く)は120mm×200mm未満、かつ直径78mmの円が収まること
  • 鏡面のサイズ(円形)は直径94mm以上150mm以下であること
  • ミラーが左右に1つずつあること
  • ハンドルの中央から280mm以上外側に設置されていること
  • 歩行者と接触しても障害を与えない形状になっていること
  • 歩行者と接触しても衝撃を吸収する構造になっていること

以上の条件を満たしていないと車検に合格できないので、しっかりと理解しておきましょう。

まとめ

バイクのミラーは安全走行の要であり、正しく調整・固定されていなければ重大な事故を引き起こす恐れがあります。

ミラーの構造やネジの種類を理解し、適切な手順と方法で調整することが大切です。

正しく理解していればバイクのミラー調整は難しくないので、日常的に位置チェックを行いつつ、快適で安全なライディングを楽しみましょう。