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バイクに半キャップで運転すると捕まる?法律と安全性を分かりやすく解説

「バイクの半キャップは捕まる」といった情報を聞いて、不安に感じたことはありませんか。
半キャップは軽量で開放感がある人気のアイテムですが、使い方や選び方を間違えると法的トラブルになる恐れがあるため注意が必要です。
本記事では、半キャップでバイクを運転すると捕まるのか、安全マークの意味、検挙されるケースについて解説していきます。
海外製ヘルメットの判断基準にも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
バイクの半キャップとは?
まずは、バイクの運転時に使用される半キャップがどのようなヘルメットを指すのか、その基本的な特徴から解説していきます。
半キャップとはおわん型のヘルメット
半キャップとは、その名の通り頭部の半分程度を覆う形状のヘルメットを指します。
一般的には「ハーフヘルメット」とも呼ばれ、おわんを逆さにしたようなシンプルな形状が特徴です。
側頭部や後頭部、そして顎部分が露出しているため、保護できる範囲は限定的といえます。
半キャップが選ばれる理由
半キャップが一部のライダーから支持される理由として、以下のようなものが挙げられます。
- 手軽さと着脱の容易さ
- 涼しさや開放感
- デザイン性
短距離の通勤・通学でバイクを利用する方にとって、半キャップの手軽さは魅力的に感じられます。
顔全体が覆われないため、走行中の風を心地よく感じることができ、軽量であることから首や肩の負担が軽減される点もメリットのひとつです。
また、アメリカンやクラシックスタイルのカスタムバイクにおいては、車両の雰囲気に合わせたファッションアイテムとして選ばれる傾向もあります。
半キャップ以外のヘルメット
バイクのヘルメットには、半キャップ以外にも用途や安全性に応じて、以下のような種類が存在します。
| フルフェイス | ・顎を含めた頭部全体を完全に覆うタイプで、最も高い保護性能を誇る
・視野の狭さや圧迫感が気になるポイント |
| ジェットヘルメット | ・顔の部分が開いているタイプで、ある程度の開放感を持つ
・フルフェイスに次ぐ保護範囲を持ちながら、より視野が広い |
| セミジェットヘルメット | ・ジェットヘルメットからさらに側頭部の保護が減少したタイプ
・ジェットヘルメットと半キャップの中間的な位置 |
| システムヘルメット | ・フルフェイスタイプだが、チンガード(顎部分)を上部に跳ね上げられる
・ジェットヘルメットのような利便性を持つ |
バイクに半キャップで乗車すると本当に捕まる?
それでは、本題である「半キャップを着用してバイクを運転すると本当に捕まるのか?」という疑問について、法律の観点から詳しく解説していきます。
【結論】基本的には違反にならない
結論から示すと、国が定める保安基準を満たした半キャップを正しく着用していれば、その行為自体が法律違反となり検挙されることは基本的にありません。
法律はヘルメットの「形状」を規制しているわけではなく、基準を満たしているかどうかを問題にしているからです。
したがって「半キャップだから即違反」ということにはなりません。
バイクの半キャップに関する法律は2つ
半キャップの着用が適法かどうかを判断する上で、関連する法律は主に2つ存在します。
道路交通法第71条のヘルメット着用義務
道路交通法第71条の4は、バイクの運転者および同乗者に対して乗車用ヘルメットの着用を定めているものです。
条文では「乗車用ヘルメットをかぶらないで運転し、又は同乗させてはならない」と定められており、ヘルメットを着用すること自体が必須であると明確に示されています。
ただし、この条文ではヘルメットの種類や形状について具体的に言及していません。
参照:e-Gov法令検索「道路交通法(大型自動二輪車等の運転者の遵守事項)」
道路交通法第9条5の乗車用ヘルメット基準
着用が定められている「乗車用ヘルメット」において、どのような基準を満たすべきかを定めているのが、道路交通法第9条5の施行規則です。
この規則では、乗車用ヘルメットの満たすべき技術基準として、以下のような項目を挙げています。
- 左右、上下の視野が十分とれること
- 風圧によりひさしが垂れて視野を妨げないこと
- 著しく聴力を損ねないこと
- 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること
- あごひも等により確実に固定できること
- 重量が2kg以下であること
- 人体を傷つける恐れがある構造でないこと
これらの基準を満たしているヘルメットには、後述する「安全性を示すマーク」が
貼られています。
参照:e-Gov法令検索「道路交通法施行規則(乗車用ヘルメット)」
半キャップは安全性のリスクが高まる
法律上の基準を満たせば問題ないとされる半キャップですが、安全性の観点からは、ほかのヘルメットに比べてリスクが高いことを認識しておく必要があります。
半キャップは構造上、転倒時に強打しやすい顎や側頭部、後頭部の保護性能がほとんどありません。
また、風圧を受けやすく、高速走行時には脱げやすくなることも考えられます。
バイクの半キャップで検挙されるケース
ここからは、保安基準を満たしているはずの半キャップを着用していても、実際に交通違反として検挙されてしまうケースについて解説していきます。
装着の仕方が不適当だった場合
あごひもを締めていない、または著しく緩んでいる場合、法律上の「着用」とは見なされない恐れがあるので注意が必要です。
あごひもが適切に締められていない状態では、万が一の際にヘルメットが脱落してしまい、頭部を保護する機能を果たせません。
そのため、警察官はこれを「着用義務違反」と判断し、検挙の対象とすることがあります。
自転車用を使用していた場合
バイク用の半キャップと形状が似ているヘルメットに、自転車用のものがあります。
しかし、これらが想定している速度域や衝撃の度合いはバイクとまったく異なるため、運転に必要な保安基準を満たしているとは言えません。
自転車用ヘルメットでバイクを運転することは、違反とみなされる可能性があります。
安全性を示すマークがない場合
ヘルメットに適切な安全マークが表示されていないケースも、乗車用ヘルメットの保安基準を満たしていないと判断されるので注意が必要です。
ファッション性を重視した「装飾用ヘルメット」や、海外から個人で輸入した規格未認証のヘルメットなどが該当するでしょう。
安全性を示すマークの有無が直接の原因とはなりませんが、安全性が確認できないと判断されることで、検挙される事例が想定できます。
検挙された場合の罰則と反則金
上記のような理由で検挙された場合、「乗車用ヘルメット着用義務違反」が適用されます。
この違反には反則金の規定はありませんが、行政処分として違反点数が1点加算されます。
ヘルメットの安全性を示すマークの種類
続いて、日本製のヘルメットに記載される、重要な安全マークについて解説します。
マークの意味を正しく理解することが、適切なヘルメット選びの第一歩といえるでしょう。
PSCマーク
PSCマークは、「消費生活用製品安全法」に基づいて、国が定めた安全基準に適合していることを証明するマークです。
PSCマークがない場合、衝撃吸収性や耐貫通性など、生命の安全を守るために必要な最低限の基準をクリアできていない恐れがあります。
このマークがなければ、事業者は「乗車用ヘルメット」として製品を販売することができません。
SGマーク
SGマークは、一般財団法人製品安全協会が定める民間の認定基準です。
PSCマークの基準を満たしていることを前提に、協会の品質管理や検査基準をクリアした製品に表示されます。
SGマークが表示された製品の欠陥によって人身事故が発生した場合、最高1億円の対人賠償保険が適用されます。
JIS規格
JIS規格(日本産業規格)もまた、国が定める任意の工業規格です。
ヘルメットにおいては、SGマークやPSCマークを指標とする厳しい基準が設定されています。
高い信頼性を誇っていますが、バイク用ヘルメットには、125㏄以下用と全排気量用の2種類がある点に注意が必要です。
海外製ヘルメットの判断基準
最後に、海外製ヘルメットの購入に対して、注意すべき法律上のポイントと、海外の主要な安全規格について見ていきましょう。
個人輸入のヘルメットにおけるPSCマークの必要性
個人使用を目的として海外からヘルメットを輸入した場合、その製品にPSCマークがなくても、使用者が罰則を受けるとは限りません。
PSCマークの有無は「販売」に関わる規制であり、マークのない製品を販売した業者側が処罰の対象となるからです。
ただし、海外製でPSCマークのないヘルメットが保安基準を満たしているかを現場で証明するのは、極めて困難です。
安全上のリスクもともなうため、安全かつ合法的に使用するためには、PSCマークのある信頼性の高いヘルメットを選ぶことが強く推奨されます。
海外のヘルメット規格
世界にはさまざまな安全規格が存在しており、海外製ヘルメットの安全性を判断するひとつの指標として、以下のようなものが挙げられます。
SNELL規格
SNELL規格は、非営利団体であるスネル記念財団が定める、世界でもっとも厳しいと言われる任意規格の一つです。
実際のレース中の事故を想定した非常に過酷なテスト基準を設けており、数年ごとにその基準が更新されます。
プロのレーシングドライバーからも絶大な信頼を得ている、最高水準の安全規格です。
DOT規格
DOT規格は、アメリカ合衆国運輸省(Department of Transportation)が定める強制規格です。
アメリカ国内でバイク用ヘルメットとして販売するためには、このDOT規格の基準をクリアしている必要があります。
PSCマークと同様に、公道走行に最低限必要な安全性を保証する規格と位置づけられています。
ECE規格
ECE規格は、国連欧州経済委員会(Economic Commission for Europe)が定める公的な規格であり、欧州の多くの国で採用されています。
厳しい衝撃吸収試験や耐摩擦試験などが特徴で、SNELL規格と同レベルの基準を持つ規格です。
その安全性と信頼性は、世界的に高く評価されています。
まとめ
バイクの半キャップは、国が定める保安基準を満たした製品で、あごひもを締めて正しく着用していれば、基本的には検挙の対象とはなりません。
しかし、半キャップは顎や側頭部の保護性能が低く、ほかのヘルメットよりもリスクはあるでしょう。
より安全性の高いヘルメットを選択して、安心できるバイクライフを送りましょう。
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