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バイクの引き起こしガイド│安全確認からダメージチェックまで徹底解説
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バイクの引き起こしガイド│安全確認からダメージチェックまで徹底解説

バイク 引き起こし

「バイクの引き起こしがうまくできなかったらどうしよう」と、大型車や重量のあるバイクに対して、このような不安を抱えていませんか。

立ちゴケは誰にでも起こりうるトラブルであり、正しい引き起こし方法を身につけておくことが大切です。

本記事では、安全にバイクを起こす6つのステップと、転倒前に可能な対処法を解説していきます。

バイクを引き起こしたあとに確認したいチェックリストも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

バイクの引き起こし術を学ぶ必要性

バイクの引き起こしは万が一の事態に備え、安全にツーリングを楽しむためにすべてのライダーが習得すべき重要な技術です。

立ちごけのような転倒トラブルは予期せぬタイミングで発生する上に、ソロツーリング中には自分自身で対処する必要に迫られます。

力任せに起こそうとすると、腰を痛めたりバイクを傷つけたりする恐れもあるので注意が必要です。

正しい手順とコツを事前に学んでおくことが、愛車と自身の安全を守ることにつながります。

バイクの引き起こしで意識するポイント

具体的な手順の前に、バイクを引き起こす際にもっとも重要となる部分、体全体を効率的に使うためのポイントを解説していきます。

腕ではなく太ももの筋肉を使う

バイクを引き起こす際は腕の力で持ち上げず、人体でもっとも大きな筋肉である太もも(大腿四頭筋)を使うのが基本です。

地面を蹴るようなイメージでバイクを押し、下半身主導で起こすことを意識してください。

腕ではなく太ももの筋肉を使うことで、効率的に力を車体へ伝えられ、腰を痛めるリスクも軽減できます。

低い姿勢で行う

バイクの引き起こしは、低い姿勢からスタートすることが重要です。

腰の位置を深く落として重心を低くすることで、体勢が安定し、下半身の力を最大限に活用できます。

反対に腰が高い位置にあると、腕や背中の力に頼りがちになり、引き起こしが困難になるほか、怪我の原因となる恐れもあるでしょう。

胸をシートに押し当てる

起こす際は、自身の胸をバイクのシート部分にぴったりと密着させましょう。

胸をシートに押し当てることで、自然と低い姿勢になり、力が逃げることなく効率的に伝達されます。

車体は前に起こす

バイクを真上に持ち上げるという意識は間違いで、タイヤの接地点を支点として、斜め前方に押し出すように起こすのがポイントです。

真上に力を入れて引き起こすやり方では、バイクの全重量を持ち上げる必要があり、作業の難易度もかなり上がってしまうので注意しましょう。

標準的なバイクの引き起こし手順

それでは、安全かつ確実なバイクの引き起こし方法を、具体的な手順に沿って解説していきます。

各ステップの内容を確実に理解して、一つ一つの動作を落ち着いて丁寧に行うことが重要です。

STEP1:エンジンの停止と路面のチェック

転倒したら、まずは自身の安全を確保し、落ち着いて行動を開始します。

最初に、ハンドル右側のキルスイッチでエンジンを確実に停止させてください。

二次被害を防ぐため、周囲の交通状況や足元の路面状態を十分に確認することが重要です。

安全が確認できた上で、バイクの引き起こし作業へ移りましょう。

STEP2:転倒状況に合った方法で車輪をロック

エンジンを停止させたら、引き起こし作業中にバイクが不意に動くのを防ぐため、車輪を固定します。

バイクがどちら側に倒れているかによってやり方が異なるので、状況に合った手順を選択しましょう。

バイクが左側に転倒

バイクが左側(サイドスタンドと逆側)に倒れた場合は、シフトペダルを操作してギアを1速に入れておきます。

この手順でタイヤの回転が固定され、引き起こしの最中に車体が前後へ動いてしまうケースを防ぐことが可能です。

バイクが右側に転倒

右側に転倒した際は、フロントブレーキレバーを握ることで車輪をロックします。

握りながら作業ができないときは、ひもやテープなどを使ってブレーキレバーを固定する方法がおすすめです。

引き起こしたあとに反対側へ倒れないよう、あらかじめサイドスタンドを出しておきましょう。

STEP3:グラブバー(またはシート下)をしっかり握る

タイヤを固定できたらハンドルを倒れている方向に切り、バイクの掴む位置を決めます。

片手はハンドルに、もう片方の手はグラブバーやシートフレームなど、力の入れやすい頑丈な箇所をしっかりと握ってください。

STEP4:低い姿勢でバイクを身体全体で抱える

バイクを掴んだら、引き起こしの基本姿勢を作ります。

腰を深く落とし、自身の胸をシートに密着させてください。

背筋はできるだけ伸ばし、腕が伸びる位置までバイクから頭を遠ざけます。

STEP5:そのまま膝の屈伸運動を使って起こす

正しい姿勢が取れたら、いよいよ引き起こしです。

腕で持ち上げるのではなく、地面を斜め方向に蹴りながら、膝を伸ばす力を使って一気に押し上げます。

視線は真上ではなく、進行方向の少し上に向けると、体が自然と起き上がりやすくなるでしょう。

STEP6:バランスが取れたらスタンドを出して完了

バイクが垂直に近づき、バランスが取れるポイントまで来たらスタンドを出します。

スタンドを使って車体がしっかりと自立したことを確認できたら、引き起こし作業は完了です。

バイクを引き起こす前に揃えたい装備と便利アイテム

ここからは、バイクの転倒を防ぐアイテムや、車体へのダメージを最小限に抑えるための装備をご紹介します。

安心してツーリングを楽しむために、以下のようなアイテムへの投資を検討してみましょう。

ソールの厚いブーツ

ソールの厚いブーツは、立ちごけの主な原因である足つきの悪さを補い、停車時の安定感を大きく向上させます。

突然の引き起こしに備えるだけでなく、転倒そのものを予防する観点でおすすめの方法です。

車両を改造するローダウンカスタムの前に、まずは足つき性を改善できるブーツを選んでみましょう。

エンジンガード

エンジンガードは、転倒時にエンジンのクランクケースやシリンダーフィンといった重要部品を保護するパーツです。

ダメージを最小限に抑えられるため、修理費用の抑制にもつながるでしょう。

また、車体と地面の間に空間を作り出せるため、引き起こしがやりやすくなるという作業上のメリットもあります。

スライダー

スライダーは、フレームやエンジン、アクスルシャフトなど、車体の特定箇所に樹脂製のガードを取り付けることで、転倒時の衝撃を逃がし分散させるパーツです。

一点に集中しがちなダメージを和らげ、車体への傷を最小限に食い止めてくれます。

エンジンガードに比べて目立ちにくいため、バイクのデザイン性を損なわずに保護性能を高めたい方におすすめです。

バイクを引き起こしたあとに確認しておきたい箇所

バイクを無事に引き起こしたあと、走行を再開する前には、車両の状態確認が必要です。

転倒の衝撃により、見た目では分かりにくい箇所に損傷が発生している可能性も否定できません。

以下に挙げる部分を、慎重にチェックしておきましょう。

ハンドル

ハンドルが曲がったり歪んだりしていないかを確認します。

左右にハンドルをいっぱいに切ってみて、タンクへの干渉や不自然な引っ掛かりがないか、スムーズに操作できるかをチェックしてください。

バーエンド

バーエンドは、ハンドルの両端に取り付けられた重りであり、転倒時は最初に接地しやすい部品です。

ここに大きな傷や削れ、脱落がないかを確認しましょう。

バーエンドの損傷は、ハンドル自体や内部のスロットル機構にまで影響が及んでいる可能性もあるため注意が必要です。

レバー・ペダル・ステップ

ブレーキレバーやクラッチレバー、シフトペダル、フットブレーキペダル、そしてステップなどに、曲がりや折損がないか目視で確認します。

各部がスムーズに動作するか実際に操作してみて、操作性に問題がないかしっかりと確かめておきましょう。

灯火類・ミラー

ヘッドライト、ウインカー、テールランプといった灯火類のレンズに割れがないか、また正常に点灯・点滅するかを確認します。

後方確認に不可欠なミラーも、鏡面の破損や取り付け部の緩み、角度のずれがないかをチェックしましょう。

エンジン部分とマフラー

エンジン周辺から、オイルや冷却水が漏れていないかを入念に確認します。

バイクが倒れていた下の地面にシミができていないかも併せてチェックしてください。

マフラーについても、排気漏れの原因となるような亀裂や大きな穴がないかを、しっかり見ておきましょう。

外装

カウルやフェンダーといった外装部品に、割れや大きな傷、へこみがないかを確認します。

割れた部分が不安定になっていると、乗車中に思わぬ怪我に繋がる危険性もあるため、注意深く点検することが大切です。

まとめ

バイクの引き起こしは、力任せに行うのではなく、正しい手順とコツを理解することがもっとも重要です。

記事内で解説したとおり、腕力に頼らず下半身の大きな筋肉を使い、タイヤを支点に弧を描くよう押し上げれば、筋力に自信がない方でも安全に車体を起こせます。

万が一の事態に備え、安全確認から引き起こし後の点検まで、一連の流れを事前に把握しておきましょう。

これらの知識を安心材料として、充実したバイクライフを楽しんでください。