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バイクのボアアップで後悔しないための知識!メリットやリスク・手続きを徹底解説

バイクのボアアップに興味はあるけれど、「本当に効果があるのか」「手続きが面倒そう」「自分でできるのか不安」と迷っていませんか。
ボアアップは排気量を増やしてパワーアップできる魅力的なカスタムですが、メリットだけでなくリスクや法的手続きも正しく理解する必要があります。
そこで本記事では、ボアアップの具体的な効果やデメリット、注意点などを徹底解説していきます。
251cc以上へのボアアップも含めた煩雑な手続きについても詳しく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
バイクのボアアップとは?
バイクのボアアップとは、エンジンの排気量を増やすカスタムの一種です。
エンジンの排気量は、シリンダー(気筒)内部の直径である「ボア」の値と、その中でピストンが上下に動く距離である「ストローク」によって決まります。
シリンダー部分を加工・交換することで、一度に燃焼できる混合気の量を増やし、エンジンのパワーやトルクを向上させることが、このカスタムの主な目的です。
ボアアップの方法は2種類
ボアアップを実現する方法は、主に2種類存在します。
・ボーリング:現在ついている純正のシリンダーの内側を削り、より大きな直径のピストンを組み込む
・ボアアップキット:シリンダー、ピストン、ガスケットなどが一式になったキットを使用して丸ごと交換
どちらの方法でもボアアップが可能ですが、2ストロークエンジンの場合、シリンダー側面に吸排気を行うための「ポート」という穴が存在するため、ボーリングは適していません。
全体的にボアアップキットを用いたカスタムが主流ですが、それぞれの車種専用として販売されているので、基本的には愛車に対応したキットを用意する必要があります。
ボアアップで変化する性能と効果
ボアアップで得られる主な効果は、以下のとおりです。
・エンジンのパワーが増加し、発進時や坂道での力強さがアップする
・トルクが向上し、加速の鋭さなどが改善される
エンジンの力を最大限に引き出せるようになり、バイクの加速性能が向上します。
その結果、力強い走りを存分に楽しめるようになります。
知っておきたいリスクと注意点
魅力的なボアアップですが、以下のようなリスク・注意点も存在します。
・燃焼するガソリンの量が増えるため、一般的に燃費は悪化する傾向にある
・ノーマル状態よりも大きな爆発力にエンジンが耐えることになるため、部品にかかる負担が増加し、エンジンの寿命を縮める恐れがある
・エンジンパワーだけが突出してしまうと性能のバランスが崩れてしまい、関連部品にも負担を与えてしまう恐れがある
ボアアップはエンジンだけでなく、ブレーキや駆動系、冷却系などの部品強化も視野に入れる必要があることを理解しておきましょう。
バイクのボアアップに関する法規と手続き
バイクをボアアップして排気量が増加し、その結果として車両区分(例:原付一種から原付二種へ)が変わる場合、それに伴う法的手続きが発生します。
ここからは、ボアアップに付帯して発生する各種手続きの概要について解説していきましょう。
排気量増加に付帯する各種手続き
ボアアップによって排気量の区分が変わった場合、主に以下の手続きや変更点の確認が必要になります。
| 手続き・確認事項 | 概要 | 管轄の一例 |
| 登録変更 | 今までのナンバーを返納(廃車手続き)し、新しい排気量区分で新規登録を行う。 | 市区町村役場、運輸支局(陸運局) |
| 保険(自賠責・任意) | 保険会社に排気量変更を通知する。区分変更によっては新規加入が必要。 | 各保険会社 |
| 運転免許 | ボアアップ後の排気量に対応した免許区分が必要。 | 公安委員会(警察署、運転免許センター) |
これらの手続きはすべて相互に関連していますので、正しい手順で漏れなく行うようにしましょう。
保険の手続き
ボアアップに伴う保険の手続きは、自賠責保険と任意保険の両方で発生する可能性があります。
どちらの保険においても、排気量を変更した旨を保険会社に連絡する「通知義務」がある点を認識しておきましょう。
これを怠ったまま事故を起こすと、契約内容の不実告知と見なされ、保険金が支払われない可能性があります。
また、原付で「ファミリーバイク特約」に加入していた場合、125ccを超えると特約の対象外となってしまいます。
新たにバイク単体での新規加入が必要になりますので注意しておきましょう。
軽自動車税の金額
バイクの所有者には、毎年4月1日時点で軽自動車税(種別割)の納付義務があります。
この税額は排気量区分によって定められており、ボアアップによって区分が変われば、翌年度から納める税額も変更されます。
2025年10月現在、主な排気量区分ごとの年間税額は以下の通りです。
| 区分 | 排気量 | 年間税額 |
| 原付一種 | 50cc以下 | 2,000円 |
| 原付二種 | 50cc超 90cc以下 90cc超 125cc以下 |
2,000円 2,400円 |
| 軽二輪 | 125cc超 250cc以下 | 3,600円 |
| 小型二輪 | 250cc超 | 6,000円 |
免許区分
ボアアップしたバイクの排気量に応じた免許を所持していない場合、それまでの免許があっても「無免許運転」が適用されます。
以下を参考に、必ずボアアップ後の排気量に対応した免許を取得してから運転してください。
・50cc超 125cc以下:普通二輪免許(小型限定)以上が必要
・125cc超 400cc以下:普通二輪免許以上が必要
・400cc超:大型二輪免許が必要
原付一種から原付二種へボアアップする場合の手続きフロー
50ccの原付一種をボアアップして、51ccから125ccの原付二種へ変更するケースの手続きフローを解説していきます。
基本的な流れ
手続きの基本的な流れは、「現在のナンバーでの廃車手続き」と「新しい排気量での新規登録」を同時に行うイメージです。
1.必要書類の準備:ナンバープレート、標識交付証明書、印鑑、本人確認書類などを用意
2.市区町村役場へ:現在ナンバーを登録している市区町村役場の担当窓口(課税課など)を訪れる
3.廃車と登録の申請:窓口で必要書類と「排気量変更届」を提出
4.新ナンバーの交付:その場で新しいナンバープレート(多くはピンク色や黄色)と標識交付証明書が交付
市区町村によって必要な書類が異なる場合もあります。
改造内容を証明する書類の提出を求められることもあるので、事前に確認しておくと安心です。
自賠責保険は継続可能
原付一種(〜50cc)と原付二種(51cc〜125cc)の自賠責保険は同じ金額です。
そのため、ボアアップしてナンバーが変わっても、既存の自賠責保険契約を継続できます。
ただし、保険会社に排気量が変更になった旨を伝え、車両情報を更新する手続きは必要ですので忘れないようにしましょう。
原付二種から軽二輪へボアアップする場合の手続きフロー
125ccの原付二種をボアアップして、126ccから250ccの軽二輪へ変更する場合の手続きフローを解説していきます。
基本的な流れ
軽二輪への変更手続きは、まず市役所で廃車手続きを行い、その後、運輸支局で新規登録するという二段階のプロセスになります。
1.廃車手続き:原付二種として登録されている市区町村役場で廃車手続きを行う
2.新規登録:バイクの住所を管轄する運輸支局で「確認書」「排気量計算書」「原付二種の廃車証明」「車両の外観(前後左右)が分かる写真」「車体番号、原動機番号の石ずり(エンジン番号部分の転写)」を提出して、軽二輪としての新規登録を行う
3.ナンバー交付:書類に不備がなければ、新しい「軽自動車届出済証」とナンバープレートが交付
確認書と排気量計算書は運輸支局の窓口で入手できます。
本人確認書類や印鑑、ナンバープレート代も必要ですので用意しておきましょう。
自賠責保険は新規加入が必要
原付二種と軽二輪では、自賠責保険の区分が異なります。
そのため、原付一種から二種への変更時とは違い、保険契約を継続することはできません。
運輸支局で軽二輪の登録手続きを行う前に、軽二輪用の自賠責保険に加入しておく必要があります。
登録手続きの際に、新しい自賠責保険証明書の提示が求められますが、保険会社にこだわらなければ、その場で加入することも可能です。
251cc以上へボアアップする場合の手続きフロー
251cc以上へボアアップする場合の手続きフローを解説していきます。
このクラスの手続きは、車検制度の対象となることもあり、もっとも複雑かつ厳格です。
251cc以上へボアアップは構造変更の手続きが必要
251cc以上へのボアアップは構造変更の手続きが必要です。
改造した車両そのものを運輸支局に持ち込み、保安基準に適合しているかどうかの実車検査を受けます。
この手続きには専門的な書類の作成が求められるため、事前知識がないまま行うのは困難です。
以下に、個人で構造変更の手続きを行う場合の一般的な流れを記載します。
1.検査部へ事前相談
個人で行う構造変更手続きは、管轄する運輸支局の検査部へ事前相談することから始めましょう。
パーツの形状や寸法が正確に分かる写真とともにボアアップ改造の概要を説明し、手続きの流れ、必要な書類、検査の見込みなどについて確認します。
アドバイスを聞けるのは検査部の業務が終わったあとなので、16時以降から窓口が閉まるまでの時間しかありません。
できる限り必要な知識について学習しておき、効率よく相談を進めましょう。
2.改造自動車届出書類の作成・提出
事前相談で得た情報をもとに、専門的な申請書類を作成します。
主に必要となるのは以下の書類です。
・改造自動車届出書
・改造概要等説明書
・保安基準適合検討書
・強度検討書
・車体の外観写真(4方向)
・改造部分およびパーツの写真(外寸記載)
・車体番号と原動機番号の写真
・車検証のコピー
ボアアップキットの仕様書や図面など、改造内容を証明するための補足資料も用意しましょう。
これらの書類を提出し、まずは書類審査が行われます。
3.実車検査
書類審査を通過したら「改造自動車審査結果通知書」が届きます。
改造自動車審査結果通知書を持って車両を運輸支局の検査ラインに持ち込み、実車検査を受けて改造内容の確認が済めば手続きは完了です。
新しい排気量が記載された自動車検査証(車検証)が交付され、公道を走行することが可能になります。
まとめ
バイクのボアアップは、実用的なメリットも体感できる魅力的なカスタムです。
一方で、エンジンへの負担増加や燃費の悪化といったリスクも伴います。
排気量区分が変更になる場合は、登録変更、税金、保険、免許といった法的な手続きを正しく行わなければなりません。
ボアアップを検討する際は、得られる性能向上だけでなく、それに伴う義務と責任についても深く理解し、事前に必要な知識を身に付けることが求められます。
作業や手続きに少しでも不安がある場合は、信頼できる専門のカスタムショップに相談してみてください。
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