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バイクのビード落としは難しい?必要工具と作業手順を詳しく解説
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バイクのビード落としは難しい?必要工具と作業手順を詳しく解説

バイク ビード落とし

バイクのタイヤ交換を自分で行おうとした際、最初につまづきやすいのが「ビード落とし」です。

タイヤとホイールをしっかり圧着させているビード部分を外すこの作業は、適切な工具や技術が足りていないことで、失敗やトラブルにつながりやすい傾向にあります。

本記事では、ビード落としの基本手順や必要な工具の選び方などを解説していきます。

タイヤ交換全体の流れとして、ビード落とし以外の部分も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

バイクのビード落としとは?

バイクのタイヤ交換に初めて取り組む際、多くの人が難しいと感じやすいのがビード落としという工程です。

ショップへ依頼するのと比較して工賃を節約できますが、正しい知識なしで力任せに行うとタイヤやホイールを傷めてしまうリスクがあります。

まずは、ビード落としに関する基本的な知識や、プロに依頼する際の判断基準について解説していきましょう。

ビードとは?圧着部分の仕組み

タイヤのビードとは、タイヤを装着したときに、ホイールのリム(タイヤがはまる外縁部分)に接する部位のことです。

ビードワイヤーと呼ばれる鋼線の束をゴムで被覆した、硬いリング状のパーツで、タイヤの内周縁に沿って形成されています。

空気を充填することでビードがリムに強く押しつけられ、タイヤが固定される仕組みです。

タイヤをリムに固定するのと同時に、タイヤ本体(カーカス)を支える役割も担っています。

ビード落としの難易度が高いとされる理由

タイヤとホイールの構造上、ビード部分はリムにしっかり密着するよう設計されています。

ビードワイヤーはきわめて硬く伸縮しないため、構造上タイヤはリムから簡単に外れません。

チューブレスタイヤの場合は、リムの形状とビードが精度高く噛み合う設計になっており、空気圧が加わると、ビードがリム内側に強く押しつけられることになります。

さらに、古いタイヤや寒い季節には、ゴムの柔軟性が失われて固着度が上がることもあるため、総じてビード落としの難易度は高いとされています。

プロに依頼する判断基準

自分でビード落としに挑戦するかどうかは、以下の3点を考慮して判断するのがおすすめです。

  • ビード落としに必要な専用工具がそろっているかどうか
  • ある程度のメンテナンス経験があるか
  • 十分なスペースと安定した作業環境が確保できているか

上記に挙げた条件のいずれかが欠けている場合、体力的な負担が大きくなり、安全上のリスクも増大する恐れがあります。

ホイールのリムに傷を付けてしまうことも考えられるため、少しでも不安がある場合は、プロが作業してくれるショップへ相談してみましょう。

ビード落としに必要な工具

ここからは、ビード落としに必要な工具について解説していきます。

ビード落とし、およびタイヤ交換で使用する工具は以下のとおりです。

  • タイヤレバー(2〜3本)
  • 虫回し(バルブコアツール)
  • リムガード(リムプロテクター)
  • ビードクリーム(またはビードワックス)
  • エアコンプレッサー(空気入れ)
  • エアゲージ(空気圧計)
  • サービスマニュアル

リムガード(リムプロテクター)は、タイヤレバーを使う際にホイールリムの傷付きを防ぐ保護カバーです。

ビード落としの工程に必須の工具ではありませんが、傷を付けたくない場合は用意しておきましょう。

タイヤレバーの役割と使い方

タイヤレバーは、ビードをリムの外側に引き出したり、新しいタイヤをリムに押し込んだりする際に使う工具です。

本数が多いほど作業が安定するので、経験が少ない場合は2本以上を用意しましょう。

先端が薄く削られたタイプが、ビードとリムの隙間に差し込みやすいのでおすすめです。

タイヤレバーは、ビードとリムの隙間に差し込む形で使用します。

差し込むときはタイヤをしっかり固定して、なるべく狭い間隔で差していくのがコツです。

ビードブレーカーとは?

ビード落としに必須ではありませんが、作業がかなり楽になる工具としてビードブレーカーが挙げられます。

ビードブレーカーとは、タイヤのビードとリムの密着部分に力を加え、てこの原理でビードを押し下げる工具です。

タイヤレバー2本だけで行う手作業と比べ、格段に少ない力でビードを落とせます。

また、一般的なビードブレーカーの種類としては、以下のようなものがあります。

  • 電源不要で持ち運びに便利な手動式
  • エアコンプレッサーを使う空圧式
  • 電気モーターを使う電動式
  • 重機タイヤにも対応できる油圧式

知識があれば自作も可能で、市販品より安価に用意できる場合もあります。

ビード落としの基本的な手順と注意点

ビードの仕組みと必要な工具が理解できたところで、実際の作業手順を解説していきます。

タイヤレバー2本を使った基本手順

以下に、タイヤレバー2本を使った基本手順を記載します。

  1. 虫回しを使ってバルブコアを取り外し、タイヤの空気を完全に抜く
  2. 膝を使ってタイヤを固定する
  3. タイヤとリムの境目にタイヤレバーの先端を差し込む
  4. 1本目のレバーでタイヤのビードを押し下げ、すぐ横の隙間に2本目のレバーを180度反転させた向きで差し込む
  5. 2本のレバーの先端を上下に開くように動かす
  6. その場所のビードが落ちたら、同じ要領で全周を落としていく

作業時のコツと注意点

すでに述べたとおり、作業時のコツはタイヤをしっかり固定した状態でレバーを近い間隔で差し込み、体重を使ってゆっくりと押し進めることです。

タイヤレバーの差し込みでチューブを挟みやすいため、過度な力をかけずに慎重に進めることがコツといえます。

寒い季節はゴムが硬化して作業難易度が上がるため、作業する時期や周りの環境に気を付けることもポイントの一つです。

チューブレスタイヤの場合は、ビードが落ちにくい傾向にあるので、解説したタイヤレバーの使い方を参考にして、じっくり作業を進めましょう。

ビードブレーカーを使ったビード落としの手順

ビードブレーカーを使う場合の基本的な手順を以下に記載します。

  1. 虫回しを使ってバルブコアを取り外し、タイヤの空気を完全に抜く
  2. ビードブレーカーのフットまたはエッジ部分が、タイヤのビード部分に当たるよう正確に位置決めする
  3. ハンドルまたはレバーに体重を乗せて圧力をかける
  4. ビードが落ちたら、工具をずらして同じ作業を繰り返す
  5. ビード全周がリムから外れるまで進める

作業のなかでもっとも気を付けたい部分は、工具の位置決めです。

タイヤのビード部分ではなくリムに直接当ててしまうと、リムが傷付く恐れがあるため注意しましょう。

ビードを落としたあとの手順

ビードが落ちた状態は、単にタイヤがリムにはまっているだけの状態です。

タイヤ交換であれば、この次はタイヤをめくって外し、新しいタイヤを組み込んで空気を入れるという流れになります。

ビードを落としたあとの手順を以下に記載するので、事前に理解しておきましょう。

タイヤの全周をめくる

ビードが落ちたら、タイヤレバー2本を使ってタイヤの片側を全周にわたってめくっていきます。

レバーをビードとリムの隙間に差し込み、てこの原理でビードをリムの外側へ引き出すように動かしましょう。

ある程度の範囲をめくってしまえば、残りは手の力だけでも進められるようになります。

全周めくれた時点で作業の前半は完了ですが、この段階ではまだタイヤはホイールに乗っている状態です。

タイヤを外す

タイヤの片側を全周めくり終えた時点で、中のチューブを取り出します。

チューブを取り出したら、同じ手順で反対側のビードをめくっていきましょう。

両側のビードがめくれると、タイヤをホイールから完全に引き離すことができます。

新しいタイヤを準備する

新しいタイヤをホイールに組み込む前に、タイヤのビード部分とホイールのリム部分にビードクリームを塗布します。

ビードクリームとは、タイヤとリムの摩擦を低減し、組み込みをスムーズにするための潤滑剤です。

塗布量が不足すると組み込みが難しくなるため、しっかりと準備しておきましょう。

チューブタイヤの場合はチューブにも薄くビードクリームを塗っておくと、タイヤレバーでチューブを挟んでパンクさせるリスクを低減できます。

新しいタイヤを取り付ける

新品タイヤには、軽点と呼ばれるもっとも軽い箇所を示す黄色いマーキングが付いています。

そのマーキングをバルブの位置に合わせて、同時にタイヤ側面に矢印で示された回転方向も確認しておきましょう。

バイクが前進したときにその方向にタイヤが回転するよう、向きを合わせてセットしてください。

チューブタイヤの場合はチューブに軽く空気を入れて、あらかじめタイヤにセットしてからホイールに組み込みます。

タイヤをホイールに乗せたら、手で押し込める部分はできるだけ手で進め、残りはタイヤレバーで少しずつビードをリム内側に落とし込んでいくのが基本的な手順です。

タイヤレバーを差し込んでいる反対側のビードが、リムの中央のへこみに落ちるよう、膝や体重でしっかり押さえながら作業を進めましょう。

ビードを上げる

タイヤの組み込みが完了したら、バルブコアを取り付けたのち、エアコンプレッサーや空気入れで空気を充填してビードを上げます。

ビードを上げるとは、空気圧によってビードをリムに密着させ、タイヤ側面に刻まれたビードライン(リム端に沿って均一に現れる細いライン)が、ホイール越しに両側全周で均一に見える状態にすることです。

ビードを上げる際は空気圧を高めに入れ、ビードラインで装着状態を確認できたら、取扱説明書に記載された適正空気圧に調整しましょう。

ビードが上がらない場合は、取り付けの不備が考えられるので、タイヤを地面に弾ませてバランスを変えてみるか、最初から作業をやり直すなどで対処してください。

まとめ

ビード落としは、タイヤ交換という一連の作業のなかで、多くの人がつまずきやすい工程です。

経験が少ない場合は、特に難易度が高いと感じる可能性があります。

作業をスムーズに進めるためには、ビード落としに関する基礎的な知識を習得しておき、タイヤレバーの正しい使い方を理解しておく必要があるでしょう。

作業に不安がある場合は、プロに依頼するのもひとつの選択肢です。

今後のためにも自分の手でやってみたいという方は、本記事の内容を参考にして挑戦してみてください。