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ハーレーダビッドソンは空冷と水冷どっち?中古で購入できる車両も解説
ハーレーダビットソンは、空冷と水冷どちらのエンジンを搭載したモデルを購入すれば良いのか、迷っている方もいるのではないでしょうか。
最近は、水冷エンジンが主流の時代になっていますが、もともとハーレーダビッドソンは空冷エンジンをメインとしていました。
そこで今回は、空冷と水冷のエンジンそれぞれの特徴や魅力をメインに、購入できる中古車両についても解説していきます。
ぜひ、バイク選びの参考にしてください。
目次
空冷と水冷のエンジンの違い
空冷と水冷のエンジンの違いは、冷やし方と魅力にあります。
エンジンの冷やし方が異なる
エンジンの冷やし方の違いを空冷と水冷に分けて解説していきます。
空冷エンジンの仕組み
空冷エンジンは、冷やす際に風を使用するのが特徴です。
走行中に発生する風をエンジンに当てる方法が採用されており、エンジンの表面に冷却フィンが設置されています。
エンジンが高性能やモデルの場合、オイルクーラーが搭載されているケースもあり、エンジンの中で循環するオイルを冷やすことが可能です。
しかし走行中に発生する風を冷却に使用するタイプのため、冷えている部分とそうでない部分が発生しやすいのがデメリットになります。
走行中に発生する風が当たる部分は冷えますが、当たりにくい部分や渋滞などで停車している際はオーバーヒートになってしまう可能性が高いです。
水冷エンジンの仕組み
水冷エンジンは、冷却水を循環させて冷やす方法が採用されているのが特徴です。
冷却水はエンジンを循環したあとラジエーターへ行き、風によって冷却されてから再びエンジンへ戻ります。
この仕組みにより、常に冷えた冷却水が循環するようになっているため、エンジンの冷却状態を安定させることが可能です。
デメリットとして挙げられているのが、重量の増加です。
ウォーターポンプやラジエターなどの部品を増やさなければならず、エンジンの重量増加は免れないとされていました。
しかし、近年になってさらに技術が進化したことにより、重量のデメリットが克服されました。
持っている魅力が異なる
持っている魅力を空冷と水冷に分けてご紹介していきます。
空冷エンジンの魅力
空冷エンジンモデルの最大の魅力はルックスです。
ヘッドとシリンダに設置されているフィンは、これまでのハーレーダビッドソンの象徴といっても過言ではありません。
実際に、水冷化が主流化された今でも、昔ながらの空冷エンジンを愛するファンがいます。
メンテナンスがしやすい点も魅力の一つです。
水冷と比べると構造はシンプルで、必要な部品も少ないです。
加えて、冷却水も必要ないためメンテナンスがしやすく維持費も抑えられます。
水冷エンジンの魅力
水冷エンジンの最大の魅力は安定性が高いことです。
空冷エンジンはエンジンの冷えにムラが生じたり、炎天下の渋滞などで風が発生しない状態になるとオーバーヒートのリスクがあります。
水冷エンジンは、停車中も常に循環する冷却水によってエンジンが冷やされているため、炎天下の渋滞でもオーバーヒートのリスクは低いです。
加えて、エンジンの温度を適温に一定化できることにより、高出力が可能な点も大きな魅力でしょう。
効率よくパワーを発揮できるため、排気量が少ないモデルでもパワフルな走行ができます。
空冷から水冷にメインが移り変わった理由
空冷から水冷にメインが移り変わった主な理由は、排ガス規制です。
地球の温暖化により、オゾン層破壊の進行を抑えるため、排ガス規制が世界各国で設けられています。
なかでも日本は規制が最も厳しいといわれており、排ガスの細やかなコントロールができない空冷エンジンモデルの乗車は困難な傾向です。
水冷は安定してエンジンを冷却でき、排ガスに含まれる有害物質を再燃焼させるといったコントロールができます。
環境保全の観点から、日本では空冷エンジンから水冷エンジンのモデルがメインとなったのです。
ハーレーダビッドソンのエンジンの歴史と種類
ハーレーダビッドソンのエンジンの歴史と種類をご紹介していきます。
空冷エンジンの種類
ハーレーダビッドソンがこれまでにバイクに搭載してきた空冷エンジンは以下です。
・フラットヘッド
・ナックルヘッド
・パンヘッド
・ショベルヘッド
・アイアンヘッド
・エボリューション
・ツインカム
・ミルウォーキーエイト
では、一つずつ特徴を解説していきます。
フラットヘッド
フラットヘッドは、1929年〜1973年の44年間もの間製造されていた最も古い基本設計のエンジンです。
ハーレーダビッドソンのバイクだけでなく、郵便の配達などに使われていた後2輪トライク、軍用バイクにも搭載されていました。
ナックルヘッド
1936年に登場し、それから11年間にわたって存在していたエンジンです。
ロッカーカバーが拳の形に見えることが由来でナックルヘッドと名付けられました。
市販バイクで、はじめてのOHV方式エンジンです。
排気量は1000ccと1200ccがあります。
パンヘッド
1948年に登場したエンジンです。
ロッカーカバーが鍋をひっくり返した形に見えることからパンヘッドと名付けられました。
シリンダーがアルミ製に変更されたことによって、オーバーヒートのリスクが大きく減少しています。
ショベルヘッド
1957年に登場したエンジンです。
もともとはスポーツスターのために開発されたものでしたが、1966年になるとビッグツインにも搭載されるようになりました。
78年後期になると、排気量が1200ccから1340ccにパワーアップしています。
アイアンヘッド
スポーツスター専用のショベルヘッドエンジンをアイアンヘッドを呼びます。
ロッカーカバーが鉄製だったことが由来です。
エボリューション
1984年に登場したエンジンです。
優れた冷却性能、メンテナンスのしやすさ、重量の軽量化の3つが揃っているのが特徴です。
別名ブロックヘッドとも呼ばれていました。
ツインカム
アメリカの速度制限の見直しがきっかけで誕生したエンジンです。
これまで1本のカムシャフトだったものを2本へと大改革されました。
排気量は従来の1340ccを1450ccにまでパワーアップしています。
ミルウォーキーエイト
再びカムシャフトが1本化されたエンジンです。
厳密には異なりますが、オイルラインを設けたことで油冷エンジンのような仕組みでエンジンを冷却します。
水冷エンジンの種類
これまでにハーレーダビッドソンが開発・搭載してきた水冷エンジンは以下の3種類です。
・レボリューション
・レボリューションX
・レボリューションマックス
では、特徴を一つずつ解説していきます。
レボリューション
2002年にはじめて水冷エンジンとして開発されたのがレボリューションです。
ポルシェ社にパワートレーン系やエンジン試験の分析を手伝ってもらい、完成させました。
レボリューションX
ハレーが次世代の水冷エンジンとして開発したものです。
2013年に開催されたミラノ国際モーターショーではじめて世に出ました。
Vツインエンジンらしさが感じられるエンジンの鼓動感も特徴です。
レボリューションマックス
水冷エンジンの現行エンジンです。
これまでのハーレーダビッドソンで採用されてきた45度Vツインから60度に変わっています。
日本には2015年に導入されました。
中古で買える!ハーレーダビッドソンの空冷エンジン搭載のおすすめモデル
中古で買える、ハーレーダビッドソンの空冷エンジン搭載のおすすめモデルをご紹介していきます。
XL1200X フォーティエイト
スポーツスターファミリーの一つであるモデルです。
車体が軽いモデルであるため、女性やはじめてハーレーダビッドソンに乗る方に向いています。
排気量は1201ccで十分なパワーを持っており、パワフルな走行が可能です。
XL883N アイアン
幅広いラインナップのなかでも軽量化されているモデルです。
こちらもスポーツスターファミリーに属しています。
排気量は883ccで、ハーレーダビッドソンのなかでも小さいタイプです。
XL883L スーパーロー
こちらもスポーツスターファミリーに属しているモデルです。
スーパーローとは車高を大きく下げていることを意味しています。
車高が低い分、走行性の安定に優れ、乗り降りも楽なため女性にも人気があります。
排気量は883ccです。
XL1200CX ロードスター
ツーリングやライディングの楽しみを存分に味わいたい方に人気があるモデルです。
シートは高くハンドルは低い設計となっており、ワイディング走行が得意です。
排気量は1201ccとなっています。
FLHTKSE CVOリミテッド
ハーレーダビッドソンのなかでリーズナブルなほうであるモデルです。
普段使いからツーリングまでどのような場面でも乗りやすいです。
排気量は749ccとなっており、大きなバイクだと不安な方も検討しやすいでしょう。
FLSS ソフテイルスリムS
ハーレーダビッドソンのラインナップのなかでは高級志向モデルです。
シートインヒーターの搭載やLEDライトなどが搭載されています。
外観もかっこいいこともあり、人気が高い車種です。
排気量は1868ccでパワフルな走りができます。
FLSTF ファットボーイ
世界的な映画「ターミネータ」でも使用されていたモデルです。
レトロな雰囲気にブラックと光沢のあるシルバーのコントラストがクールに決まっています。
排気量は1689ccです。
FXDR114
ハーレーダビッドソンのラインナップのなかでスポーティな見た目をしたモデルです。
車高が低く車体が長いため、スタイリッシュなデザインに仕上がっています。
女性も乗り降りしやすい設計のため、男女ともに人気があります。
まとめ
ハーレーダビッドソンの空冷は、デザインのかっこよさから人気が続いているエンジンです。
しかし、日本では排ガスの規制の観点から空冷エンジンモデルそのものがなくなったり減少しています。
現在も中古車バイクとして購入できますが、オーバーヒートしやすいのがデメリットとしてあり、真夏の走行は向いていないでしょう。
好みのバイクを見つけ、ぜひライディングを楽しんでください。
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