- バイクのサイレンサーとは?効果や仕組みについて解説
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バイクのサイレンサーとは?効果や仕組みについて解説
バイクのマフラーには「サイレンサー」と呼ばれるパーツが装着されています。
サイレンサーを取り外しても、ルール上問題はないのでしょうか。
本記事では、バイクのサイレンサーの効果や仕組みについて解説していきます。
サイレンサーの装着義務や交換方法についても解説していくため、サイレンサーについて詳しく知りたい方は参考にしてください。
バイクのサイレンサーに関する基礎知識
そもそもバイクのサイレンサーとは、どのようなパーツなのでしょうか。
バイクのサイレンサーに関する基礎知識から、解説していきます。
サイレンサーとは
サイレンサーとは、バイクの排気音を最小限にする役割を持つパーツのことです。
「消音器」との意味があり、マフラーの排気口の近くに装着されています。
サイレンサーの構造
サイレンサーの構造には、ストレートタイプと隔壁タイプの2種類があります。
それぞれの構造の特徴をチェックしていきましょう。
ストレートタイプ
ストレートタイプは、排気ガスがまっすぐに抜けていく構造です。
部品数が少ないため、サイレンサーを軽量化できる点がメリットです。
ただし、構造上すべての排気音を吸収しきれないので、そこまで静粛性は高くありません。
隔壁タイプ
隔壁タイプは、いくつかの壁を経由しながら排気ガスが抜けていく構造です。
ストレートタイプよりも部品数が多くなるため、重量が重くなる点に注意しましょう。
しかし、壁が排気音を吸収するため、隔壁タイプのほうが静粛性が高いのがメリットです。
仕組み
サイレンサーはいくつか穴が空いた金属パイプの周辺に、グラスウールなどの消音材が巻きつけられています。
エンジン内で発生した排気ガスがサイレンサーを通過することで圧力と温度が下がり、排気音を軽減する仕組みです。
排気音が抑えられるだけでなく、ライダーや周囲への騒音も減少できるため、快適な走行環境が保たれます。
サイレンサーの素材
サイレンサーに使用されている素材は、次のとおりです。
- スチール
- ステンレス
- カーボン
- チタン
スチールは広く使用されている素材で、コストが低く耐久性にも優れています。
しかし、重量があるためバイク全体が重くなりやすい点に気を付けましょう。
ステンレスは錆びにくく手入れがしやすい素材で、適度な重量とコストパフォーマンスの良さから、純正品によく採用されています。
カーボンは非常に軽量で、デザイン面からも人気のある素材です。
ただし、コストがかかる点に注意しましょう。
チタンも軽さに優れており錆にも強い高性能な素材ですが、高価な点はデメリットです。
サイレンサーの素材は排気音や重さ、耐久性などに影響します。
交換する際は素材の特徴を理解して、自分の用途や好みに合ったものを選びましょう。
サイレンサーを取り付けるメリット
サイレンサーは消音効果以外にも、以下のようなメリットがあります。
- 排気効率が良くなる
- 排気ガス中の有害物質の除去
排気ガスがサイレンサーを通過することで、排気がスムーズになります。
排気効率が向上することで、エンジンのパフォーマンスアップも期待できるでしょう。
サイレンサーには、排気ガスに含まれる有害物質を減らす効果もあり、環境への配慮にも繋がります。
サイレンサーを取り付けるデメリット
メリットの多いサイレンサーですが、以下のようなデメリットもあります。
- 取り付けが難しい
- 定期的に点検が必要
- エンジンに負担がかかる
サイレンサーを取り付ける際、最初から穴が空いていれば固定するだけで問題ありません。
しかし、穴が空いていない場合はドリルを使用して空ける必要があるため、手間や時間がかかるでしょう。
なお、サイレンサーも劣化するため、定期的に点検を受ける必要があります。
また、エンジンが高回転で動作している場合、サイレンサーの種類によっては排気効率が悪化し、エンジンに負担がかかる可能性があります。
そのため、自分のバイクに合った製品を選ぶことが重要です。
サイレンサーとインナーサイレンサーの違い
サイレンサーもインナーサイレンサーも、排気音を抑える役割を果たす点では共通しています。
しかし、下記のように装着される位置に違いがあります。
- マフラーの途中に装着:サイレンサー
- 排気口付近に装着:インナーサイレンサー
インナーサイレンサーは、サイレンサーの補助として利用されることもあります。
サイレンサーを使用する場合の注意点
ここでは、サイレンサーを安全に使用するための注意点について、解説していきます。
ボルトが緩んでいないか定期的に点検する
サイレンサーを自分で取り付ける場合は、ボルトが緩まないようにしっかりと固定することが大切です。
走行時の揺れによりボルトが緩む可能性もあるため、定期的にボルトの点検も実施しましょう。
外したり加工したりするとすると罰則がある
サイレンサーをバイクから外して走行したり、加工したりすると「消音器不備」と判断される場合があります。
その場合、違反点数2点と罰金が科せられるため注意しましょう。
また、正当な理由なしに空ぶかしや急加速により、騒音を発生させるのも違反対象です。
同様に、違反点数2点と罰金が科せられてしまうため気を付けてください。
バイクの製造年数をチェックする
バイクの排気音量規制は、製造年によって基準が異なります。
よって、サイレンサーを交換・取り付ける場合は、バイクの製造年数を確認することが重要です。
なお、製造年数が古い旧車の場合は、規制がない場合もあります。
サイレンサーの交換が必要なケース
続いて、サイレンサーの交換が必要になるケースを紹介していきます。
修理できない状態の場合
サイレンサーが修理できないほど破損している場合は、交換が必要です。
折れ曲がってしまったり潰れたりしている場合は、修理ができません。
軽い凹み程度であれば修理ができますが、修復できないほどの大きな破損は交換を選択しましょう。
音量や音質をカスタマイズしたい場合
排気音の音量や音質を自分好みにしたい場合は、サイレンサーを取り替えることでカスタマイズできます。
サイレンサーだけを交換するスリップオンは、パーツ代や交換費用のコストも安く、比較的簡単に交換できるでしょう。
マフラーごと交換するフルエキゾーストは、サイレンサーだけでなくマフラーの性能アップも期待できるのが魅力です。
ただし作業が増えるため、スリップオンと比較するとコストが高くなります。
オリジナルのマフラーを製作してもらうワンオフという方法もありますが、費用は高額です。
一点もののため交換はできませんが、自分の理想通りのマフラーを付けることができます。
バイクのサイレンサーの交換方法
最後に、サイレンサーの交換方法について解説していきます。
業者に依頼する
業者にサイレンサーの交換を依頼する場合、サイレンサーだけを交換するスリップオンと、マフラーごと交換するフルエキゾーストで交換費用が異なります。
交換費用の目安は下記のとおりです。
- スリップオン:5,000円〜12,000円
- フルエキゾースト:8,000円〜24,000円
取り付ける車種によって工賃が変わるため、費用も変動します。
費用が気になる場合は、事前に業者へ確認しておきましょう。
自分で交換する
スリップオンであれば自分で交換することも可能で、手順は下記のとおりです。
- サイレンサーを外す
- 新しいサイレンサーを取り付ける
- エンジンをかける
取り付け完了後にエンジンをかけるのは、排気漏れがないかを確認するためです。
新しいサイレンサーを取り付けた部分に、手を近づけて確認しましょう。
排気漏れがある場合は、ボルトやナット類をしっかり締め直してください。
なお、自分で取り付けを行う場合は製品保証外のため、万が一事故が起こってもすべて自己責任です。
不安な場合は業者の整備士に依頼しましょう。
まとめ
本記事ではバイクのサイレンサーの役割や構造、取り付けるメリット・デメリットについて解説しました。
サイレンサーは、排気音を減らすためのパーツです。
個人の判断で取り外したり、加工したりすると処罰の対象となるので注意しましょう。
なおサイレンサーは交換も可能ですが、方法によって難易度やコストが変わります。
交換が不安な方は、プロの整備士に依頼しましょう。
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