- バイクのヘッドライト交換ガイド|種類・手順・車検対策まで徹底解説!
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バイクのヘッドライト交換ガイド|種類・手順・車検対策まで徹底解説!

「バイクのヘッドライトを交換したいけど方法が分からない」と悩んでいませんか?
近年ではさまざまな種類のヘッドライトが販売されており、カスタムを楽しむ目的でヘッドライト交換に挑戦するライダーも多い傾向です。
そこで本記事では、バイク用ヘッドライトの種類や交換手順、注意点を詳しく解説していきます。
交換時に悩みやすい車検対応のポイントも解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
バイク用ヘッドライトの種類と特徴
ヘッドライトにはいくつかの種類があるため、使用目的や予算に応じて選ぶことが大切です。
ここでは代表的な3つのタイプについて、それぞれの特徴を分かりやすく解説します。
ハロゲン【価格が安価】
もっとも一般的で、1970年あたりから使われているタイプがハロゲンです。
ヘッドライトのなかでは比較的安価なため、費用を抑えたい方にはおすすめの選択肢と言えます。
ただし消費電力は高く、LEDやHIDに比べると、明るさ・寿命・照射範囲で劣る傾向です。
LED【消費電力が少ない】
LEDは発光効率が良く、消費電力の少なさと長寿命が特徴です。
ハロゲンと比較すると消費電力が半分程度で済む上に、一般的な商品で約30,000時間も使用できます。
明るさや照射範囲もハロゲンよりアップする傾向にありますが、実際の性能はルーメン数やLEDの数で異なるため購入する際に確認が必要です。
HID【光量が多い】
HIDは強烈な光を放つのが特徴で、LEDを超える光量を持っています。
消費電力は35Wと55Wの2種類があり、明るさはハロゲンより上です。
LEDと比較すると、最大光量になるまでの時間が若干遅く、一般的な寿命も2,000時間と少し劣ります。
バイク用ヘッドライトの交換手順
ヘッドライトの交換は、正しい手順を知っていれば自分でも行える作業です。
ここでは、作業前に準備すべき工具と、基本的な交換の流れについて解説していきます。
必要となる工具
一般的なバイク用ヘッドライトの交換に必要となる工具は、以下のとおりです。
- プラスドライバー
- スパナ・レンチ類(車種によって必要)
- ビニールテープ
新しいヘッドライトバルブ(規格に合ったもの)を用意して、作業を開始します。
基本的な交換手順
基本的なヘッドライト交換手順を以下に記載します。
①カバーを外す
まずはヘッドライト本体と一体化しているカバー(ヘッドライトリム)を外します。
取り付けネジは左右合わせて2本あるのが一般的ですが、車種によって位置が異なるため、事前に確認しておきましょう。
カバー上部を支点にして下側を手前に引き、そのまま下げるとカバーが取り外せます。
②配線を外す
カバーがフリーになったら、ヘッドライトバルブにつながっているコネクターを外します。
コネクターの側面にロック用のツメがある場合は、ツメを押さえながら引き抜きます。
無理に引っ張ると破損することがあるので、慎重に行いましょう。
作業がやりにくく、ヘッドライトバルブ以外のコネクターも外した場合は、間違いなく再接続できるよう目印を付けておくと安心です。
③新しいヘッドライトを搭載する
古いバルブを取り外したら、新しいバルブを取り付けます。
バルブのガラス部分に直接触れると寿命が縮むこともあるため、注意して作業しましょう。
コネクターを接続したあとは、防水目的でビニールテープを巻いておきます。
④固定してカバーを装着する
バルブの固定が確認できたら、取り外したカバーやネジを元通りに装着します。
配線の噛みに注意しながら作業を進めてください。
⑤点灯確認する
エンジンをかけてヘッドライトが正常に点灯するか確認しましょう。
点灯しない場合は配線ミスやバルブ不良が考えられます。
新しいヘッドライトに交換した場合、光軸調整を行う必要がありますが、調整方法は記事の後半にまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
バイク用ヘッドライトを交換する際の注意点
ヘッドライト交換は比較的シンプルな作業ですが、注意しておくべきポイントがいくつかあります。
トラブルを未然に防ぐためにも、以下の点を押さえておきましょう。
車種によって取り外し方法が異なる
ヘッドライト周りの形状やバルブの固定方法は、バイクの車種によって異なります。
ネイキッドバイクの場合、ヘッドライトにすぐアクセスできるため、経験があれば取り外しは簡単です。
一方で、インナーカウル付きのもの、メーターと一体構造になっているものなど、取り外し手順がまったく異なるケースもあります。
したがって、自分のバイクに合った手順を事前に確認しておくことが大切です。
光軸調整が必要になる
バルブを交換した際、光の向きがズレる可能性があります。
光軸がズレたままだと夜間の視認性が悪くなる上に、車検で落ちる原因にもなるため注意が必要です。
よって光軸調整は必ず行わなければなりません。
HIDライトの場合は難易度が高くなる
HIDライトはバラストという装置を取り付ける必要があり、配線の複雑化・スペースの確保など作業難易度がアップする傾向です。
場合によっては状況に合わせた加工も必要とされるため、ある程度の知識がないと対応が難しいケースもあります。
HIDライトへの交換を希望する方で作業に不安がある場合は、バイク専門店へ取り付けを依頼しましょう。
車検の保安基準と対策
バイクのヘッドライトは、道路運送車両法に基づく保安基準を満たす必要があります。
ここでは、車検に通るための基準と、注意すべきポイントについて解説していきましょう。
ヘッドライトカバーの破損
ヘッドライトカバーにヒビや割れがあると、光が正常に照射されず、車検に通らない場合があります。
小さなキズであれば問題ありませんが、光が漏れるぐらいの破損は要注意です。
光量
ヘッドライトに求められる光量は、15,000cd(カンデラ)以上と規定されています。
ライトの明るさがこの値に達していないと、車検での判定は不合格です。
ヘッドライトの光量は、カバーの汚れ・配線劣化・バッテリー消耗などからも影響を受けます。
事前に各所をチェックしておき、十分な光量が確保できる状態を維持して車検に臨みましょう。
発光色
車検で認められているのは「白色または淡黄色」のみです。
バイクの製造日によって、以下のように基準が異なります。
- 平成17年12月31日以前なら「白色または淡黄色」
- 平成18年1月1日以降は「白色」
色の判別は、K(ケルビン)の値を参照するのが一般的です。
- 3,000K前後は淡黄色
- 6,000K前後は白色
- 8,000K以上は青味のある白色
車検では検査員が目視で判別します。
商品に記載されているケルビン数とは別に、実際の色味もチェックしておく必要があります。
光軸のずれ
光軸のずれは、ほかの車やバイク、歩行者の眩しさを誘発する原因となるため、車検での検査項目に入っています。
1m離れて照射したときの最高光度点と、10m離れて照射したときの最高光度点のズレを測定します。
基準は以下のとおりです。
- ハイビームで計測
- 左右のずれが270mm以内
- 上部のずれは100mm以内
- 下部のずれは地面からライトまでの距離のうち20%以内
車の車検では2024年8月より、一部の地域を除いてロービームでの検査が義務化されました。
混同されがちですが、対象車両は「二輪車、側車付二輪車、大型特殊自動車及びトレーラを除く」となっており、バイクはすべてハイビームを基準に検査します。
光軸の調整方法
ヘッドライト交換後には、光軸の確認・調整が必要です。
比較的簡単にできる、確認および調整方法を以下に記載します。
- 壁から1m離れた平坦な場所にバイクを停める
- ライトを点灯し一番明るい部分に印を付ける
- 壁から10m離れた場所にバイクを停める
- ライトを点灯し一番明るい部分に印を付ける
- 2と4で付けた印のずれを計測する
ずれが基準内に収まっていない場合は調整が必要です。
ヘッドライト周辺にある調整ネジを使い、光の高さや向きを変えてください。
ただし、もっとも安心できるのは、精度の高い調整を行ってくれる専門店です。
作業に不安がある方は、迷わずバイクショップに依頼しましょう。
まとめ
バイクのヘッドライト交換は、適切な知識と準備があればセルフでの作業も十分可能です。
ヘッドライトの種類や交換手順、および作業の注意点などを把握しておけば、性能や安全性をすぐにグレードアップできます。
ただし、車検の基準や光軸の調整といったポイントは、忘れずにチェックしておきましょう。
この記事を参考に、ぜひあなたのバイクに合ったヘッドライト交換に挑戦してみてください。
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