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バイクの慣らし運転は必要ない?正しいやり方や注意点について解説
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バイクの慣らし運転は必要ない?正しいやり方や注意点について解説

バイク 慣らし運転

「バイクの新車を購入したときは、慣らし運転をした方が良い」という話を聞いたことがありませんか。

慣らし運転とは、エンジンや各部のパーツをスムーズに馴染ませるための重要な工程です。

本記事では、バイクの慣らし運転が必要な理由や具体的なポイント、さらに注意点まで詳しく解説していきます。

また、新車購入時以外でも慣らし運転をしたほうが良いケースについても紹介していくため、ぜひ参考にしてください。

バイクの慣らし運転とは?

バイクの慣らし運転とは、新車で購入したバイクを初めて動かす際に、一定の距離に達するまで控えめに運転をすることです。

すり合わせ運転や、なじみ運転と呼ばれることもあります。

トラブルなく走行するためには、人間と同じようにバイクにも準備体操が必要です。

慣らし運転はバイクの性能を十分に引き出すための、大切なステップだといえます。

バイクの慣らし運転が必要な理由

慣らし運転にはどのような効果があるのでしょうか。

新車のバイクに慣らし運転が必要な理由とともに、解説していきます。

エンジンとパーツ同士の接触を滑らかにする

慣らし運転を行うことでエンジンとパーツのなじみが良くなり、スムーズな動作を実現できます。

バイクのエンジンや駆動系のパーツはほとんどが金属製で、新車の状態では細かな凹凸が残っているため、急に高回転で動かすと偏摩耗を起こす可能性があります。

そこで、ゆっくりとバイクを走らせて適切な回転数で運転することで、パーツ同士の接触を滑らかにすることが可能です。

結果として故障のリスクを抑えられ、バイクの寿命を延ばすことにも繋がるでしょう。

タイヤのグリップ性能を発揮させる

慣らし運転を行えば、新品タイヤのケミカルコーティングが剥がれるため、本来のグリップ力が発揮できるようになります。

慣らし運転をせずに急ハンドルや急加速をすると、タイヤが十分なグリップを得られず、スリップする危険が高まります。

このように、新品タイヤ表面のケミカルコーティングを剥がすことを「皮むき」と呼びます。

タイヤが路面と適切に接地するように無理な操作を避けながら徐々に慣らし、最適なグリップ性能を引き出すことが大切です。

初期の緩みがないかチェックできる

新品のバイクは、走行時の振動によってホイールや各部のネジが緩んでしまう「ネジ緩み」が発生する可能性があります。

ネジの緩みなどの初期不良は、どのバイクでも起こるリスクがあり、放置すると走行中のトラブルに繋がります。

慣らし運転を行いながらパーツやネジの状態を確認し、事故のリスクを抑えることがポイントです。

運転に慣れることができる

バイクに初めて乗る場合は、慣らし運転を行うことで運転感覚をつかみやすくなります。

アクセルやブレーキ、クラッチなどの基本操作を確認しながら走行することで、スムーズに運転できるようになるでしょう。

また、久しぶりにバイクに乗る場合でも、慣らし運転を行って感覚を取り戻すことが重要です。

バイクによって乗り心地や特性が異なるため、しっかりと慣れていきましょう。

慣らし運転を怠った場合はどうなる?

バイクで慣らし運転を行う義務は法律で定められていないため、実施しなくても罰則はありません。

また、慣らし運転をしなかったからといって、必ずしもバイクが故障するわけではありません。

しかし、新車の状態で急に負荷をかけると、エンジンや各パーツの劣化が早まる可能性があります。

本来の性能を十分に発揮できず、寿命が短くなることも考えられるでしょう。

バイクを長く安全に乗り続けるためにも、慣らし運転の重要性を理解して適切な走行を心がけることが大切です。

バイクの慣らし運転のポイント

慣らし運転の推奨方法はメーカーによって異なるため、取扱説明書も参考にする必要があります。

ここでは、慣らし運転の基本的なポイントについて解説していきます。

距離は1,000kmが目安

慣らし運転を行う際の走行距離は、1,000km程度が目安とされています。

ただし距離を増やすことが目的ではないため、短期間で一気に走るのではなく、数週間から1か月程度の期間をかけて、ゆっくりと慣らすことが大切です。

また、単調な走行では均等に馴染まないことがあるため、高速道路だけでなく一般道路も走行するなど、さまざまな環境でバイクを慣らしていきましょう。

回転数は段階的に上げていく

慣らし運転では、回転数をレッドゾーンの半分程度から徐々に上げていくのが理想的です。

具体的には、500kmまではレッドゾーンの半分程度、500km〜1,000kmまではレッドゾーンの7割程度の回転数を目安に走行すると、エンジンの負担を抑えながら適切に慣らすことができます。

また、タコメーターが装備されていないバイクの場合は、アクセルを半分程度まで開けるくらいの感覚を目安にすると良いでしょう。

任意保険に加入してから行う

バイクを運転する場合は自賠責保険に加入する義務がありますが、任意保険に加入してから試運転を行うのが安心です。

任意保険に加入していない状態で事故を起こすと、自賠責保険では賄えない部分がすべて自己負担になってしまいます。

細心の注意を払ってバイクの慣らし運転をしても、不慮の事故に巻き込まれる可能性も否定できません。

自分とバイクを守るために、慣らし運転の前に任意保険への加入を検討しましょう。

バイクの慣らし運転を行う場合の注意点

間違ったやり方で慣らし運転をすると、バイクの劣化が早まってしまう場合もあります。

慣らし運転を行う際の注意点をチェックしておきましょう。

空ぶかしをしない

バイクの慣らし運転を行う際は、空ぶかしを控えましょう。

空ぶかしをすると騒音運転の禁止行為に該当する可能性があるだけでなく、エンジンにも余計な負担をかけてしまうことがあります。

無用なトラブルを避けるためにも、空ぶかしは避けましょう。

急発進・急ハンドル・急ブレーキは避ける

急発進や急ハンドル、急ブレーキなどの無理な操作は、エンジンや車両に大きな負担をかける原因となります。

特に慣らし運転の段階では、エンジンやブレーキパーツが完全に馴染んでいないため、急な操作を行うと摩耗が早まります。

スムーズな加速・減速を意識し、慎重な操作を心がけることが大切です。

慣らし運転中は安全運転を徹底し、無理のない走行を意識しましょう。

過度な長距離走行は控える

慣らし運転の段階で長距離を走行するのは、バイクのエンジンやパーツの早期劣化に繋がるため避けましょう。

しかし「1日10分しか走行しない」などの短距離走行もエンジンが完全に温まらないため、慣らし運転の効果を発揮できません。

バイクが本来の性能を発揮するためにも、走行距離は1日100km以内かつ数週間程度かけて走行するのが目安です。

新車のバイク以外でも慣らし運転が必要なケース

最後に、新車のバイク以外で慣らし運転をしたほうが良いケースを紹介していきます。

中古のバイクを購入したとき

中古のバイクは新車のようにパーツのなじみを良くする必要はありませんが、長期間使用されていなかった場合は、エンジンの動きが鈍くなっていることがあります。

また、オイルや各パーツの状態が分からないこともあるため、いきなり高回転で走行するのではなく、様子を見ながら慎重に運転することが大切です。

バイクのコンディションを確認する意味も含めて、中古車でも慣らし運転を行うようにしましょう。

パーツ交換をしたとき

パーツを交換した場合も新車と同様に慣らし運転を行い、パーツ同士のすり合わせをすることが大切です。

特に新品のタイヤは表面にコーティングが施されており、滑りやすい状態になっています。

安全な走行のためにも、慣らし運転でタイヤの皮むきを行い、グリップ力をしっかり引き出しましょう。

まとめ

本記事ではバイクの慣らし運転の必要性や効果、具体的なやり方について解説しました。

新車のバイクは安全性を高めるため、慣らし運転が推奨されています。

近年ではバイクの高性能化によって慣らし運転を不要とするメーカーもありますが、エンジンや各パーツの寿命を延ばすなど、メリットも多くあります。

無理のない範囲で慣らし運転を実施し、安全で快適なライディングを楽しみましょう。