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バイクのブレーキフルードの交換時期は?交換方法や注意点も解説
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バイクのブレーキフルードの交換時期は?交換方法や注意点も解説

バイク ブレーキフルード

バイクのブレーキフルードは、ブレーキの性能を維持するためには欠かせない重要な液体(作動油)です。

適切なタイミングで交換しなければ、ブレーキの効きが悪くなる要因となります。

本記事ではブレーキフルードの交換時期や、具体的な交換方法を解説していきます。

日頃からしっかりとメンテナンスをして、安心して走行できる状態を保ちましょう。

バイクのブレーキフルードとは

まずは、バイクのブレーキフルードの役割や規格について解説していきます。

ブレーキフルードの役割

ブレーキフルードは、ブレーキシステム内で圧力を伝える役割を果たします。

ブレーキホースの中身は、ブレーキフルードで満たされています。

ブレーキを握るとホースと繋がっているキャリパーに圧力がかかり、ブレーキが作動する仕組みです。

バイクの安全な走行には欠かせない、重要な要素です。

ブレーキフルードの規格・種類

ブレーキフルードにはDOT(Department of Transportation)と呼ばれる規格があり、種類によって沸点や粘度、主成分が異なります。

バイクに使用されている主な規格は、以下のとおりです。

DOT規格 ドライ沸点 ウエット沸点
DOT3 205度以上 140度以上
DOT4 230度以上 155度以上
DOT5 260度以上 180度以上
DOT5.1 260度以上 180度以上

ドライ沸点とは新品のフルードが沸騰する温度で、ウエット沸点とは水分を含んでしまった状態での沸点を指します。

規格の数値が大きいほど、沸点が高くなるのがDOTの特徴です。

高温で沸騰しにくく低温で凍りにくいのですが、空気中の水分を取り込んでしまう吸湿性があります。

経年劣化によりブレーキフルードの吸湿率が上がると、沸点が下がりブレーキの効きに影響が生じることを覚えておきましょう。

交換の必要性

バイクのブレーキフルードを交換しないまま放置すると、水分を吸湿して気泡が発生しやすくなるため、ブレーキの効きが悪くなっていきます。

ブレーキフルードがさらに劣化して沸騰してしまうと、ブレーキがまったく作動しなくなるペーパーロック現象が起こり危険です。

安全に走行するためには、定期的な交換が必要といえるでしょう。

交換する目安

ブレーキフルードはどのくらいの頻度で交換するべきか、交換時期の目安を解説していきます。

2年に1度程度

ブレーキフルードは、空気に触れているだけで水分を取り込んで劣化します。

そのため、あまりバイクに乗る機会がなくても、2年に1度くらいの頻度で交換するのが一般的です。

バイクを新車で購入した場合は、3年で交換するのも良いでしょう。

新品時の状態に戻すオーバーホールを行った際も、通常よりも1年長い交換サイクルで問題ありません。

黒に近い茶色に変化したとき

新品のブレーキフルードは薄い黄色ですが、劣化すると色が黒や茶色に濁っていきます。

色が汚れていたら、まもなく交換時期であると判断しましょう。

ブレーキフルードの色は、リザーバータンクで確認することが可能です。

1万km〜2万km走行したとき

バイクの走行距離が増えるほど、ブレーキフルードは水分や汚れを吸収して劣化します。

よって、1万km〜2万km走ったタイミングで交換するのがおすすめです。

長距離を運転する機会が多い場合は、年数ではなく走行距離で交換のタイミングを判断しましょう。

バイクのブレーキフルードの交換方法

ブレーキフルードの交換方法を、自分で交換する場合と業者に依頼する場合に分けて、詳しく解説していきます。

自分で交換する

ブレーキフルードは自分で交換することもできます。

難易度もそこまで高くないので、工賃を抑えたい方におすすめです。

交換作業に必要なものと手順をチェックしておきましょう。

必要なもの

ブレーキフルードの交換に必要なものは、次のとおりです。

  • ブレーキフルード
  • ゴムホース・容器
  • タオル
  • スポイト
  • スパナ
  • ワンマンブリーダー

新しいブレーキフルードは、バイクに適した規格のものを準備します。

マスターシリンダーのキャップに規格が記載されているので、購入する前に確認しておきましょう。

ゴムホースと容器は耐油性があるタイプを用意します。

スパナはビットラチェットやモンキーレンチでも、代用が可能です。

また、ワンマンブリーダーという道具があれば、空気が混入するのを防げます。

手順

ブレーキフルードの交換手順は、次のとおりです。

  1. バイクの車体を水平にする
  2. リザーバータンクの周辺を養生する
  3. リザーバータンクのフタ・ダイヤフラムを外す
  4. ブリードスクリューにゴムホースをセットする
  5. スパナでブリードスクリューを緩める
  6. ブレーキレバーの握る・離すを繰り返す
  7. ブリードスクリューを締める
  8. ブレーキフルードを注入する
  9. フタをして交換完了

ブレーキフルードは、リザーバータンクの規定量を確認しながら入れます。

交換が終わったらブレーキレバーを握って、ブレーキの効きを確認しましょう。

業者に依頼する

自分で交換するのが難しい場合は、業者に頼むのが確実です。

ブレーキフルードの交換はバイクショップやメンテナンスショップ、カー用品店やガソリンスタンドなど、さまざまな業者に依頼できます。

業者に依頼すると費用はかかりますが、交換にかかる手間を少なくすることが可能です。

交換費用はオイル代も含めると、5,000円~10,000円程度です。

ただしエア抜きが必要な場合など、バイクの状態によっても変動するため確認してみましょう。

バイクのブレーキフルードを交換するときの注意点

最後に、ブレーキフルードの交換を行うときの注意点について解説していきます。

DOTの下位互換はしない

ブレーキフルードの規格はバイクのメーカーによって指定されていますが、勝手な判断で変更することはおすすめできません。

グリコールやシリコンなど、規格によっては主成分が異なる場合もあるからです。

また、4から3に下位互換してしまうと沸点が下がったり粘度が低下したりするため、ブレーキが正しく作動しない恐れがあり危険です。

また、古いブレーキフルードに新しいものを混ぜることも推奨されていません。

性能が低下してしまう可能性が高いので、混ぜるのは控えて全量を交換しましょう。

こぼさないように気をつける

ブレーキフルードがバイクのボディに付着してしまうと、塗装が剥がれてしまいます。

とくにキャップを外すときに飛び散りやすいため、こぼさないように注意しながら作業することが大切です。

万が一ボディに付着してしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。

時間が経過してしまうほど、ボディへのダメージは深刻になります。

しっかり水で洗い流せば、ボディへの影響を最小限に抑えることができるでしょう。

ネジを締めすぎない

マスターシリンダーカップのネジをしっかり締めすぎてしまうと、次回の交換時に外すのが大変になってしまいます。

そのためネジを締めるときは力を入れすぎず、ドライバーを押し付けながら回すのがコツです。

緩みが心配な場合は締め終わった後にマーキングをしておくと、ネジの緩みをいつでも目視で確認できるので安心です。

まとめ

ブレーキフルードは、バイクのブレーキの圧力を伝える役割を持つオイルです。

ブレーキフルードが劣化すると、ブレーキの効きが悪くなります。

とくに時間が経過すると水分を吸湿してしまう性質のため、バイクに乗る機会が少なくても定期的に交換することが必要です。

作業難易度はそこまで高くないため、ブレーキフルードは自分で交換することができます。

もしも交換に自信がない方は、業者に依頼すると良いでしょう。

今回解説した交換方法や注意事項を守って、安全でスムーズにブレーキフルードを交換しましょう。