- バイク用バッテリーの充電方法は?充電器の選び方や交換時期も解説
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バイク用バッテリーの充電方法は?充電器の選び方や交換時期も解説
バイク用バッテリーの充電方法を知りたいと考えている方も多いでしょう。
バッテリーの充電方法は全部で4つありますが、なかには車種的に適用できない方法もあるため、よく確認することが大切です。
本記事では、充電器の選び方や交換時期も併せて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
バイクのバッテリーは3種類
バイクのバッテリーは3種類あります。
それぞれ特徴やメリット、デメリットを解説していきます。
開放タイプ
開放タイプは、名前の通りバッテリーの内部を開放できるバッテリーのことです。
「標準型」と「高性能型」の2種類があります。
開放タイプの特徴は、急激な電圧変化などによって発生するガスを逃せるため、バッテリーの膨張リスクを抑えられ、3種類の中でも価格が比較的安価なことです。
しかし、その代わりに希硫酸が減りやすく、定期的に補充しなければなりません。
補充には市販のバッテリー補充液(精製水)を使い、絶対に水道水を使用しないようにしましょう。
水道水には塩素やナトリウムなど、バッテリーの内部が悪影響を受ける物質が含まれているためです。
密閉タイプ
密閉型バッテリーは、内部で発生したガスが外部に放出されないような設計となっています。
密閉型バッテリーの特徴は、希硫酸の減少を抑制できることです。
定期的な補充が不要なため「メンテナンスフリー」とも呼ばれています。
その代わりに、発生したガスが外部に放出されないため膨張リスクがあるのがデメリットです。
メリットは、性能が安定しているうえに寿命が伸びやすいことなどが挙げられます。
注意しなければならないのが、定期的な電圧チェックが必要なことです。
メンテナンスフリーと呼ばれていますが、電圧チェックはしなければならないため注意しましょう。
リチウムイオンタイプ
リチウムイオンバッテリーは、バイク業界でも近年主流で採用されるようになったタイプです。
特徴は、鉛バッテリーに比べて軽いことです。
また、エネルギー密度が高く強力なパワーを持つ一方で、寿命も鉛バッテリーの1.5倍〜2倍と長いのも特徴でありメリットです。
ただし、鉛バッテリーに比べて過放電・過充電に敏感であり、メンテナンスや扱いに気を使わなければなりません。
特に、車両のレギュレーターに不具合がある場合には、発煙や膨張、最悪の場合は発火のリスクが高まるため注意が必要です。
リチウムイオンバッテリーは、専用の充電器が必要であること、従来の鉛バッテリーのようにジャンピングができない場合があることなど、鉛バッテリーとは扱いが異なることも注意しましょう。
バイクのバッテリー充電方法
ここからは、バイクのバッテリー充電方法を解説していきます。
充電器を使う方法
充電器の使い方、充電時間を解説していきます。
容量の1/10以下の電流で充電する
充電器を使用する場合、基本は容量の1/10以下の電流で充電します。
バイク用と書かれていたとしても、電流の大きさが合わなければいけません。
必ず電流の大きさがどのくらいか確認してから購入してください。
充電器の使い方
充電器の使い方は以下のとおりです。
1.バッテリーの容量と充電電流を確認する
2.充電器の電圧をバッテリーの公称電圧に合わせて設定する
3.充電クリップをバッテリーの端子に、プラス端子、マイナス端子の順番で接続する
4.充電器の電源プラグをコンセントに差し込む
5.充電スイッチをONにして充電する
6.充電が完了したら充電器のスイッチをOFFにし電源プラグをコンセントから抜く
7.充電クリップをマイナス端子、プラス端子の順番で外す
8.液口栓をしっかりと締め直す
9.バッテリーの表面に付着した硫酸分を水で洗い流す
基本的な使い方を解説していきましたが、製品によっては少し異なる場合があります。
必ず各充電器の取扱説明書を確認し、指示に従って操作してください。
また、充電中は必ず風通しがよく火気のないところで行うようにしましょう。
充電時間
充電時間は 開放式と密閉式で異なります。
・開放式
回路電圧(V) | 充電時間の目安 |
12.4 | 4時間以内 |
12.3 | 6時間以内 |
12.2 | 8時間以内 |
12.1 | 10時間以内 |
12.0 | 12時間以内 |
11.8 | 15~20時間以内 |
・密閉式
バッテリー容量
Ah/10時間率 |
充電時間 |
2.5 | 3.5時間 |
4.0 | 4.5時間 |
6.0 | 5.5時間 |
8.0 | 7.0時間 |
10.0 | 8.5時間 |
12.0 | 9.5時間 |
14.0 | 11時間 |
16.0 | 13.5時間 |
走行中に充電する方法
走行中に充電する方法を2つ解説していきます。
走行するだけで充電可能
バイクは、ツーリングや通勤などで使用している最中にバッテリーを充電できます。
エンジンの回転を交流電気に変換するオルタネーターがあるためです。
そのため、頻繁に使用しているのであればバッテリーが上がることはほとんどありません。
頻繁に使わない場合は放電が進んでいくため、できる限り走行する機会を作りましょう。
なお、アイドリング状態でも充電はできますが、走行中よりも充電できる量は少ないです。
しっかり充電させたいのであれば、走行して十分な電圧を発生させましょう。
走行距離・時間
走行しながら充電させるには、時速60kmの換算で約30kmの走行距離、走行時間は30分が必要といわれています。
なお、エンジンをかけてから10分程度はバッテリーが温まっていないため、充電はされません。
バイク店で充電してもらうこともできる
バイク店でも充電してもらうことは可能であり、費用相場は1,000円〜2,000円です。
しかし、追加で費用が発生する場合もあるため、あらかじめ店が決まっている場合は料金を聞いておくと良いでしょう。
また、充電完了までには半日から1日を見込んでおきましょう。
急なバッテリー上がりは押しがけやキックスタートで充電できることも
急なバッテリー上がりは、押しがけやキックスタートで充電できる場合があります。
ここでは、押しがけやキックスタートで充電する方法を解説していきます。
押しがけで充電する方法
押しがけとは、バイクを押してタイヤを回転させ、その力をドライブシャフトやミッションに伝える方法です。
1.キーをオンにしてギアを2または3速に入れる
2.クラッチレバーを握りながらバイクを押して走る
3.速度がのってきたらバイクに飛び乗り、半クラとアクセルの踏み込みをコントロールしてエンジンをかける
ただし、今のバイクは、ほとんどインジェクションです。
そのため、押しがけが出来ないのでキャブ車に乗っている場合のみ適用できる方法になります。
キックスタートで充電する方法
キックスタートとは、キックパドルを踏み、クランクシャフトを回してエンジンをかける方法です。
ただし、キックスタートも今のバイクにはないモデルが多くあるため、この方法を採用できるのは限られています。
ガソリンスタンドで充電できるのか
ガソリンスタンドで充電できるかどうかですが、基本的にバッテリーはガソリンスタンドで充電できません。
ガソリンスタンドには急速充電器が設置されていますが、車用であるためバイクには使用できないのです。
バイクに使用した場合、バイクのバッテリーがダメージを受けるため、使用は避けましょう。
充電器で充電できない場合
充電器でバッテリーが充電できない場合は2つの原因が考えられます。
原因1:バッテリーが弱っている
バイクのバッテリーが弱っている場合、充電しても充電できない傾向にあります。
このような場合は、新しいバッテリーに買い直すことを検討しましょう。
原因2:レギュレーターが壊れている
充電できない場合、レギュレーターが壊れている可能性もあります。
レギュレーターの故障が原因の場合は電圧計が上がり、電圧が下がるとバッテリーが原因です。
バイク用バッテリーの充電器の選び方
バイク用のバッテリーの充電器を選ぶ際は、3つのポイントに着目しましょう。
選び方1:バッテリーの種類に合わせる
ご紹介する選び方の一つ目は、バッテリーの種類に合わせる方法です。
対応しているバッテリーは充電器によって異なります。
複数のバッテリーに対応しているものから特化しているものまであるため、よく確認してから購入しましょう。
選び方2:容量に合わせる
バッテリーの容量に対して十分に電流を流せるものを選びましょう。
電流が少ないと充電完了までの時間が長くなったり、バッテリーの劣化・破損に繋がるためです。
選び方3:繋いだままでも問題ないものを探す
繋いだままでも問題ない充電器を選ぶことで、過充電で起きるトラブルを抑制できます。
このタイプは、充電が完了すると自動停止し、電圧が一定まで下がると充電が再開されます。
バッテリーの寿命や交換時期の目安
バッテリーの寿命や交換時期の目安について解説していきます。
寿命は一般的に2年〜3年
メンテナンスや使用環境によって異なりますが、バッテリーの寿命は2年〜3年程度です。
なお、2〜3年にならなくても走行距離が50,000kmの場合はそれを目安に交換して問題ありません。
交換目安となる症状
以下のような症状が見受けられる場合は、交換することをおすすめします。
・セルが回らない
・セルは回るがエンジンのかかりが悪い
・充電してもすぐにエンジンのかかりが悪くなる
・ヘッドライトやウィンカーの光が足りない など
上記のような症状は、バッテリーの寿命が来ている証拠です。
バイクのバッテリーを長持ちさせるためのコツ
バイクのバッテリーを長持ちさせるためのコツをご紹介していきます。
これから解説していく方法は、バッテリー上がりの予防にも繋がるため、知っておきましょう。
常に満充電の状態を維持し続けること
バイクのバッテリーを長持ちさせる方法の一つ目は、常に満充電の状態を維持し続けることです。
継続的に充電が不足すると寿命が短くなるため、補充電を定期的にしましょう。
バイクの充電装置のメンテナンス
バイクの充電装置のメンテナンスも大切なことです。
オルタネーターやレギュレーターはバッテリーと深く関わっているためです。
これらが劣化するとバッテリーの劣化にも繋がるため、大切に扱いましょう。
過剰に充電しない
過剰な充電もバッテリーの寿命を短くするため適度に充電するようにしましょう。
MFバッテリーの場合、性能の低下や使用できない状態になるリスクがあります。
セルモーターの押す時間は5秒を目安に
セルモーターは5秒以上押すとバッテリーの消耗が激しくなるため、5秒以内におさめましょう。
もし、かかりが悪かった場合は10秒程度時間を置いてからトライしてみてください。
不要なときはライトは消しておく
ライトのつけっぱなしはバッテリーを消耗させます。
また、バッテリー上がりの原因にもなるため、不要なときは消しておきましょう。
まとめ
バイクのバッテリーの充電は、走行しながらもしくは充電器の使用がメインです。
ガソリンスタンドや押しがけ、キックスタートでの充電もできないことはありません。
しかし、ガソリンスタンドは車用の充電方法のため、バイクのバッテリーには向いていません。
また、押しがけやキックスタートは車種やモデルが限られており、すべてのバイクでできる方法ではありません。
バイクやバッテリーのタイプに合った方法で、充電しましょう。
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